会長挨拶

会長 大西光雄 第48回日本中毒学会総会・学術集会
会長 大西光雄
(国立病院機構 大阪医療センター 救命救急センター)

このたび、第48回日本中毒学会総会・学術集会の開催を担当させていただくことになりました。大変光栄に存じます。会期は2026年7月24日、25日、会場は大阪市中央公会堂となります。テーマは「Health Securityと中毒」です。

Health Securityという用語自体は、健康危機管理を考える際にしばしば使われる用語です。しかしながら、定義がはっきりとしない言葉でもあります。概ね、”原因が自然発生的であろうと人為的であろうと、健康に対するあらゆる脅威に対応するための予防・準備、覚知・分析、対応・復旧、事後検証などの一連の取り組み”、といった概念になると考えられます。今回、テーマに取り上げたのは、中毒事案においてHealth Securityという視点から考えてみる、ということになります。グローバルなハザード対策において使われることが多い用語ではありますが、必ず多機関・多職種で対応する必要性があります。中毒を考慮するような医療安全といったミクロな点から、公衆衛生との連携を念頭に置いたPublic Health Securityといった視点、 化学物質が関連する災害・事故、薬物濫用やMedical Child Abuseなど、中毒が関係するさまざまな事案に対して皆様とご一緒にHealth Securityを考えてみたいと思います。

中毒は“かもしれない”と疑うことが重要とされます。中毒と判断できる何かが隠れているに違いない、といった感覚になることがあります。そういったイメージをポスターに表してみました。色とりどりに並んだパーツ、何か隠れているに違いないと考えると、そこに見えてくるものは・・・

2026年7月の下旬、大変暑い日が続いているでしょう。しかし、この2日間はさらに熱く、より多くの皆さまと中毒について考え、議論でき、楽しく過ごしていただけますように鋭意準備してまいります。何卒よろしくお願いいたします。